時が過ぎるのは本当にあっという間で、昨日のように思い出される高校生時代もすでに10何年前の出来事になってしまいました。
そんな私が高校生に戻ったらしたいこと、それは「もう一度あの高校生活を過ごしたい」ということです。
私の高校生活は、始発の電車に乗って部活の朝練習から始まっていました。太陽が照り付け汗だくになるほど暑い夏の日も、まだ陽が昇らずしんしんと雪が降り積もる冬の日も始発に乗り、授業が始まるまでの約30分程度の間朝練習に参加していました。みんなが眠たい目を擦りながら集まり、まだ人気の少ない静かな校内に少しずつ楽器の音が響き渡るあのなんとも言えない空間が私の日常でした(そう、私の所属していた部活は吹奏楽部でした)。時間が経つと、徐々に他の生徒たちも集まりはじめ、学校内が騒がしくなり通常の授業に向かうための用意をしていましたが、朝練習に参加した後の授業がこれまた眠たくて仕方ないのです。しかし、進学を目標にしていた私は勉学をおろそかにするわけにもいかず、何とか授業を真面目に聞き、試験期間には寝る間を惜しんで勉強に取り組み、分からない部分は教科の先生に聞きに行き、試験でも納得のいく点を取ることができていました。日々の授業終わりの放課後、そして試験期間が終わった後には再び終電まで部活動を行っていました。終電の時間ギリギリに校舎を出ることもしばしばで、部活仲間たちと騒ぎながら近くの駅まで走ったことも昨日のことのように思い出されます。部活動、勉学、そして友人らと過ごす日々。それが私の高校生活の思い出、今となればいわゆる青春というものだったように思いますが、何より悔やまれるのは当時はそれが青春とは露とも知らずに過ごしていたことです。社会人になり、社会の酸いも甘いも経験し、あの頃には2度とは戻れないのだと気付いたときに、あれが私の青春だったのかと気づいたのです。
私の高校生活を振り返ると、もっとこうしておけばよかった、あれをしておけばよかった、という後悔のような感情はあまりないように思います。ですが、あの時期がのちに青春と呼べるものだったと大人になって気づいた今、その毎日が2度とは味わえない貴重な1日1日だったと自覚したうえでもう一度同じ高校生活を過ごしてみたいと思うことはあります。そういった点においては、高校時代に限らず、現在の1日1日も今日が1番若い日、2度と来ない1日と思い日々を過ごす大切さにも繋がるかと思います。高校時代の青春の気づきは、大人になった今の私にも刺激を与え続けてくれているようです。街中で高校生の姿を見かける度に、素敵な青春時代を過ごせますようにと願う自分がいます。